夏の四国、それも海岸線沿いを歩くのは辛い。それぐらい誰だってわかる。いろいろな方から「熱中症に気をつけろ・水分補給をしろ」というアドバイスをいただきつつ、2016年7月19日の夜行バスに乗った。僕としては、夏の四国歩きを体験しておきたかったのだ。

 

いつもお世話になっている海部観光の夜行バスは何度目だろう、今回はこれまでで一番デラックスなタイプで終点まで行き、「阿波橘」駅からJRに乗って「甲浦」駅に向かった。

 

今回は、まず甲浦から室戸岬を目指し、「24番最御崎寺から28番大日寺までは行きたい。もしかしたら29番の国分寺まで行けるかも知れない」と考えていた。宿泊はすべて野宿、そのために軽量な夏用のシュラフも買った。この状態で約7kg、着替えと水と食料を入れると一番重い時の総重量は10kgちょっとかな。

夏用シュラフにして300g近く軽くなったが、ないと不便なので折りたたみ傘と大雨対策としてショートスパッツを加えたのでプラマイゼロ、パンケーキ用にテフロン加工のフライパンを持ち、大型のバーナーにしたので約300g荷物が増えたが、黄色いOMMのウエストポーチが6Lなので、荷物はこちらに分散させられるので、総合的な機動力は上がっている。   はず。

前回のパート3からカメラは持たず、写真はすべてiPhone(6s)で撮っている。

 

甲浦駅に着き、身支度をととのえて出発したのは午前9時45分、パート4が始まった。

 

腕と顔に日焼け止めを塗り、全行程長袖を着ることにした。そしてOMMのウエストポーチは色も色だし大げさだが、550mlのペットボトルを腰に着けて歩いた時に快適だったし、貴重品、パンやお菓子、モバイルバッテリーなどがすべて入るので、もうこれなしの遍路は考えられない。OMMはすごい。

 

途中で冷たいお茶とランチセットのお接待をいただき、7/20は椎名遍路小屋に泊まることにした。佐喜浜のスーパーで焼きそばや焼き竹輪オクラなどを買ったので、焼きそばを食べてコーヒーを飲んで寝た。明日はいよいよ室戸岬の最御崎寺だ。

7月21日は朝7時に出発し最御崎寺を目指す。暑かったので、国道から最御崎寺への登りは意外にこたえた。

 

天気が良かったので、最御崎寺からの下りは絶景だった。とにかく暑いので、歩く時はホンの少しの日陰でもなるべくそこを通るように心がけ、水分補給を怠らずに歩いた。

 

25番津照寺は本堂への階段が長いので、3回ほど休みをいれて納経を済ませ、向かいの食堂で鰹たたき定食を食べた。夕方うまく食料が手に入るかどうかがわからないので、昼にまともなものが食べられる時は迷わず食べることに決めた。

 

26番金剛頂寺を打ち、下ってキラメッセ室戸で露地物のトマトを買い、あまりに暑いのでしばし休息をして、17時から宿泊予定地の羽根岬へ向かったのだが、途中で雨に降られ雨宿りをしたので羽根岬の東屋に着いたのは20時ぐらいになってしまった。

羽根岬の東屋は最高で、蚊帳の代わりにテントのインナーだけを張り、海を背に月と星を眺めながら眠った。僕以外は誰もいなくて、ウオッシュレット付きのトイレだった。そしてパンケーキもうまく焼けた。

 

朝は6時45分に出発して、27番神峯寺に向かう。ある程度予想はしていたが、神峯寺への登りはきつかった。エネルギー補充液を飲み、やっと着き、駐車場横の売店に荷物を置いて納経をした。納経所には素敵なお姉様がいて、「駐車場のところまで荷物を担いできた」という話になり、「下の売店に預けなかったとはご苦労様です」と言ってクッキーを2枚くれた。

 

売店で「りゅうきゅう」が入っているうどんを食べ、広域農道を通って安田町に下り、「さて今夜のねぐらはどこにしようか」と考えた。有名な萩森善根宿はどこにあるのだろうと思って地図を見ると、「西分」は安田町から18km先だ。「ちょっと(かなりかな)ハードだが、萩森さんにも会ってみたいし、西分まで行ってしまえば明日がかなり楽になる」と考えて、萩森さんに「ちょっと遅くなるけど必ず行きます」と電話で連絡を入れた。

 

疲れた身体で10kg近い荷物を担いで18kmを4時間半で歩くのはけっこうきついものです。でもまあ何とか到着した。この日の歩行は56786歩で、過去最高だった。

7月23日は朝6時前に萩森さんがバイクで来て、野宿や良い宿の情報をたくさん教えてくれた。生きた情報は本当に助かります。そして朝7時に萩森善根宿を出て28番大日寺へと向かう。前日に十分無理をしたし、最終日だし、無理はせずに少しペースを落として歩くことにする。

 

自転車の彼とは、神峯寺の登りですれ違い、国道に下った後追い越され、そして萩森さんのところで僕が追いついた。ギターを担いで走っているのですごく目立つ。

 

28番大日寺へは何度も「あと1km」の標識が出てきた。そして、29番への道も少しわかりにくい。今回は海岸線の国道が多かったのでここまでは道に迷うことが少なかったが、28番から29番への道は少しわかりにくかった。僕は黄色い「遍路地図」のコピーに加えてiPhoneの「巡礼Go」というアプリを併用してるので、「あれ?道を間違えたかな」と思った時には巡礼Go」を立ち上げて自分のいる位置を確かめている。これができると道を間違えても速やかに修正が可能で、巡礼Go」にはこれまで何度も助けられた。

 

そんな関係で、28番から29番への道は遍路地図とは違う道を通り、そのおかげで野菜たっぷりの昼食にありつくことができた。この定食は600円でした。

 

そして、29番国分寺に着き納経を済ませ、区切り打ちパート4を終了することにした。どの札所も良いけど、29番国分寺での安堵感は格別のものだった。この日は高知に住む知人のお宅に泊めていただくことになっていたので、御免中町まで歩き、路面電車に乗った。次回の区切り打ちは秋になると思う。

2016/07/20から7/23までの4日間の全日程は下の地図の通りで、1回だけ通り雨に遭遇したが、4日間ずっと晴れ、暑かったけど気持良かった。7月なので時折心地良い風が吹き、思ったほどの不快感はなかった。野宿は3回とも晴天、常に海岸近くだったので、シュラフを広げて使うことはなかったが、もし雨が降っていたらどうだったかはわからない。今回の靴はサロモンのXA-PRO3D、次回はX ULTRAで行こう。そして、装備の面でいくつか改良すべき点が見つかったので、それらも解決させておこうと考えている。